研究対象としてのオリエンタルランドの価値

ディズニーR、驚愕のキャスト使い捨ての実態 バイトに責任押し付け酷使、心身病む人続出 | ビジネスジャーナル

なんだかんだみんな知ってる、オリエンタルランドの労働実態ひどいですよって話。「洗練された王将」や「やりがい搾取」の側面と感情労働と接客サービス労働が経営による労働統制としてどのような労働過程になるのかが垣間見える記事。

オリエンタルランドっていわゆるブラック企業論とまっとうな労働研究を架橋するうってつけの対象だなと思えるんだけど、どうですかね。

この記事は2ページ目以降の具体例こそが肝です。被り物の中の人は熱中症対策のされていない着ぐるみを着る、暑いので保冷対策をすると重くなりより一層負担が増す。これで倒れても『体調管理もあなたの仕事』となる。あるいは「本番でミスをしたり、ケガをした場合には『あなたのレベルが低いから』と罵られるのです。同様に、病気になった場合には『あなたの根性が足りない』といった言葉が投げかけられます。こうした職場では『なんでも悪いのは自分』という雰囲気が醸成され、その結果、精神的に追い込まれて『NO』が言えない雰囲気になっていく」そうである。

じゃあこの状況で職場の仲間意識が各個人をフォローしているのかという全くそうではなく、むしろ「ストレスのはけ口としての陰湿な“落とし合い”がある。」とのことで経営によって労働者の階級間、階級内分断が統制とどういう共犯関係を築いているのかとか興味は尽きない。

ブラック企業論と労働研究がかつて有していた「強制と自発」の問題系はこの「NOが言えない雰囲気」として共有する部分があるよねとは常々思っている。

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